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シンガポール在住の底辺現地採用のブログ。 雑感、旅行記、投資、日々の生活など気ままに書き綴ります。

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生命保険は詐欺商材のようなもので、シンガポールのようなタックスヘイブンでも関係ないということ。

どうも、シンガポール在住、底辺現地採用のXin(しん)です。

シンガポール・香港などの金融都市で生活してると、Prudential(プルデンシャル)やAIA(エーアイエー)などの保険セールスに出くわすことがあります。

ビシッとスーツを決めたイケメン。スカートスーツの美人保険レディ。

人の第一印象の7割は外見で決まると言われているうえ、彼らは心理学に基づいた「営業トレーニング」を受けたプロの営業。

しかも、スマホの充電ケーブル、キーホルダー、ミニボトルなどの物で釣ってくる場合もあります。

なので、そういった営業に声を掛けられると、ついつい足を止めてしまう、という人も少なくないです。

「必死に説明してくるし、断り辛い」
「必要ないと切り出すタイミングが、つかめない」

押しに弱い日本人なら、こんな風に思う人もいるのではないでしょうか?

しかし基本的に彼らが売るのは生命保険で、この世のほとんどの生命保険は詐欺商品です。

今回は、なぜ生命保険が詐欺商品なのか、カモにならない為にはどうすべきなのか、などを書いていきます。

生命保険とは何なのか?

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生命保険はどうやって出来てるかのか?

一言で言うと「生命保険」は、個人から集金し、株や債権などの売買から成されてる投資商品に過ぎません。個人から集金しプロが株や債券で運用する「投資信託」に似てます。

「投資信託」は悪い商品ではないです。自分で株や債権などに投資し管理するのが不安なら、購入するのも選択肢のひとつ。シンガポールではUnit Trustと呼ばれる投信がメジャーです。自分も1銘柄だけ持ってます。

「生命保険」は、その一方で大概が詐欺商品です。頭の良い金融リテラシーがある人で、掛け金の高い生命保険を大量に購入している人はいないです。

じゃあ「投資信託」と「生命保険」は何が違うのか。最も大きな違いは「資金が塩漬けになるかどうか?」です。

「投資信託」は購入しても、株式や債券と同じように、好きな時に売ることができますが、「生命保険」は一旦購入したら短くとも5年、長ければ40年近く資金が塩漬けになります。

経済的に考えると、この5~40年ロックされるのが有り得ない。

生命保険以外の投資なら、長期であれば普通にもっとお金を増やせますし、数十年後なんて為替がどうなってるかなんて誰にも分かりません。

おまけに、どれだけ保証がカバーされるかは勝手に保険会社に決められるし、そもそも保険会社が倒産したら保証なんてされません。

投資においては資金流動性が命。売却できない「生命保険」なんかを買うより、株式・投信を買った方が明らかにお得なんです。

生命保険の中身は?

たとえば自分(Xin)が、読者の方々30人から100万円を35年借りて「35年後に倍にして返します」「その間に死んだら3倍返します」と約束します。

そのあと自分は資金3000万円をGoogle、Amazon、Facebook、Appleに分散投資。35年もすれば、これら大企業株は、ほぼ間違いなく数倍になってるので、35年後に皆さんに「倍だけ」の金額を返すだけ。

もちろん皆さんに「倍だけ」返したあとの差額は、Xinが頂きます。

万一お金を借りたあと、毎年リーマンショックが起きる不況に陥っても、「すんません不況なんで、35年後に1.5倍しかお返ししないルールに変更します」と伝え、それを実行するだけ。

保険のルールなんて保険会社が勝手に変更できます。

実際は株式・債権の売買益から設備投資に回したり、営業代理店に成果報酬を払わないといけなかったりするので、もっと複雑ですが、超単純化するとこんな感じです。

こんな阿保らしい金融商品は、他にはなかなかないと思います。

保険が必死に売られる理由

それでも何故、多くのセールスが血眼になって生命保険を売るのか。それはコミッションがでかいから。

たとえばXinが、たくさんの人から100万円を35年借りたいから「契約取り付けてくれたら1人につき3万円払うよ」お願いして保険営業に売ってもらうイメージです。

どうせ自分は「35年後のGAFAの値上がりー元本の倍」の金額が手に入るので、それだけ払っても余裕で採算が取れます。

保険を売ってる本人たちも35年も同じ保険会社に勤めることは稀。退職したら、被保険者の金のことなんて知ったこっちゃあない。

つまり、街頭で血眼になってる保険セールスは、保険という難しそうな商品を売ろうとしてるだけの「物乞い」みたいなもん。

シンガポールでも何かに理由をつけて人を集め、潜在顧客を増やそうとする保険営業がいますが、いつか母国に帰るような外国人相手に保険を売ろうとする行為は悪質です。

ただでさえ、何かあった際の保険請求は難しいのに、海外にいるのに責任持って相手してもらえるはずがない。

ここまで来ると被保険者からすると「高額な募金」みたいなもん。結局のことろ生命保険なんて「営業しなければ売れない詐欺商品」なんですよ。

強いて挙げるなら1番マシな生命保険

生命保険とそのセールスについてボロクソ書きましたが、それでもマシな生命保険というのもあるかもしれない。

香港では国を挙げて、国民に株式・債券なりに投資させてるので、国民の金融リテラシーが高いうえに「日本の年金」「シンガポールのCPF」のような手厚い保険はありません。

なので「香港なら良い保険があるかもしれない」と自分は過去に、保険情報を求め、香港旅行のついでに現地保険会社に足を運びました。

現地で日本人の担当者に色々話を伺いましたが、結果的に「FT Life」という保険が「バカ売れしとる人気保険」という事が分かりました。

この保険についてのポイントは以下です。

  • 高い確率で20年待てば資金が倍になる
  • 死んだ時だけ保険金が入る

20年も持って倍なら優良企業株や先進国ETF買った方が良い、と思って話だけ聞いて帰りましたが、他の保険に比べるとマシだと思います。

もしかしたら「日本の年金・国民健康保険」に近い商品もあるかな、と僅かな期待を抱いてたのですが、香港在住約10年日本人担当者の方に「純粋な保険なら日本で買った方が良いですね」と言われました。

なので海外在住者(非居住者)が安心できる保険が欲しいなら、妥協して年金を払いつつ、国民健康保険に加入する他ないかもしれません。

世界的に見ても、日本の国民健康保険は、めちゃくちゃ優れてます。日本の国保以上に優れている保険を、自分は台湾の国民健康保険いがいに知りません。

生命保険に利用価値がある条件

生命保険がいかに馬鹿げた詐欺商品であるかを書いてきましたが、どんな状況においても、無駄という訳ではないです。

たとえばシンガポールに住んでても以下のような状況である場合、生命保険は利用価値があるかもしれません。

  • 子供がいる
  • 現地人の配偶者がいる
  • 永住権を所有している
  • シンガポールに骨を埋める覚悟

しかし子どものいない家庭、あるいは未婚独身が、生命保険を購入するメリットはマジでないです。保険会社にお金を寄付してるようなもんですね。

シンガポールでは街中で声を掛けてくる保険セールも、会話オープナーが「Hi! Are you Singaporean?」なのはそのため。

シンガポール人/永住権保持者なら少しは程度利用価値があるが、非永住権保持外国人がシンガポールで保険を買ってもメリットはないから。

逆にいえば非永住権保持外国人と分かっているのに、保険を売ろうとしてくる輩は腹黒いです。

株、債券、ETF、REITなどの投資商品は元本保証ではないため、日本人のみならずシンガポール人でも「怖い」「難しい」「分からない」と食わず嫌いの人が多いです。

しかし自分からすると、投資経験・知識がなく、経済リテラシーがないことの方が「怖い」です、カモられまくるわけですから。

生命保険商品に騙されないために

簡単に騙されないための経済感覚をつけるために、少額でも良いので、とにかく自分で投資商品を選んで購入してみることをオススメします。

よく、たとえ少額でも投資できる貯金があるのに「先ずは勉強してからでないと」と言い訳する人がいます。

これは、英語が使える環境があるのに「先ずは勉強しないと」と、ひたすら英単語・英文法をやろうとしているのに似ています。

英語は、勉強するより使おうとした方が上達が早い。投資も勉強するより実際に購入してみて慣れていく他ありません。