SINLOG

シンガポール在住の底辺現地採用のブログ。 雑感、旅行記、投資、日々の生活など気ままに書き綴ります。

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母親よりもメイドの方が子どもの事をよく知ってるというシンガポールの現状。理想的な親とはどうあるべきか。

身近なシンガポールのメイド

シンガポールには約22万5千人のメイド(いわゆる家事手伝い)がいる。シンガポールの総人口は約600万人なので、メイドは人口は全体の約30分の1。統計では5世帯に1人の割台だそうです。

そんなわけでシンガポールに生活していると、結構な頻度でメイドさんを見かける。雇い主と買い物に出かけるメイドさん。週末に洗車しているメイドさん。料理している友人宅のメイドさん。実際に雇っているわけではない筆者も日常生活でメイドさんを見かけることが多々あります。非常に身近な存在なわけです。

国籍は主にフィリピン、ミャンマー、インドネシア。彼女たちの月収はSGD300.00~SGD600.00。ほとんどが住み込みなので、雇い主は、給料、保険、税金、食費以外に、住む場所も提供する必要があります。結局一人雇うのに1月SGD1,000.00くらい掛かかってくるのだとか。しかしながら、夫婦共働きが当たり前のシンガポールでは、家庭を支えるなくてはならない存在。日本よりも高いシンガポールのGDPも間接的にはメイドが支えていると言っても過言ではないかもしれませんね。

ママとメイド

そんなシンガポールのメイドに関連した興味深い動画があります。

この動画では「どちらが子どもの事をよく知っているか」という事がテーマとなっています。シンガポールの家族は22万5千人の外国人メイドの雇っている。メイドの多く7日間24時間1日も休みを与えらず働いている(週1日は休みを与えないという制度ができたのですが、徹底されていないのが現状)。このような説明から動画がはじまり、子どもの質問に対し、ママとメイドが質問に答え、子供が回答を言います。

当たり前の結果だけどね・・・

共働きが当たり前の国なのに、いかに子どもの事を知っているかどうかという比較対象が母親のみ。その裏には「もしメイドがいなかったら、父親ではなく母親が子供の面倒を見るんだよ」という先入観がシンガポールにもあるのだろうか。多少違和感がある。

母親の回答は常に間違っていて、メイドの回答は常に正解である。メイドにきちんと休みをとらせるための啓発動画であることは明らかだけど、やらせ感が半端ない。結局は「誰であろうが子どもの面倒を主に見ている人が子どもの事をよく知っている」という、当たり前といえば当たり前のことを証明しようとしている動画にすぎないと思う。

理想的なお母さん

日本では、子供を育てる母親は偉大だという風潮がある。ならシンガポールでは、子供を育てるメイドも偉大ではなかろうか?メイドとして偉大そうな人を選ぶ必要があると思う。

ご自身でビジネスをされている知り合いの女性が「〇〇(メイド)の方が私より子どもの事をよく知っているから、子育てにおいて主従逆転しそう(笑)」と仰っていることがあった。話を聞いたところ相応しっかりしたメイドさんらしいので任せても問題なさそう。だけど、世の中そういうメイドたちばかりではない。メイドが男を連れてきて妊娠してしまったりだとか、子供を虐待したりだとかいう普通のニュースばかりではなく。メイドが雇い主のドリンクにおしっこを入れてしまったりだとか、家庭の男性陣をエイズにしてしまったりだとか、冗談みたいなニュースもある。親は雇い主として、人を見抜く力が必要だと思う。

シンガポールの母親にとって子どもはどういう存在であるべきなのか。長期的にフルタイムで社会で働くという経験は、専業主婦にとっては得難い経験。だから、その社会経験を踏まえ、子どもが困ったときにアドバイスできるような良い指南役になれれば理想的だと思う。いつもいつも子供に口出しするのではなく、程よい距離感を保ち子供を見守るのが理想的だと思う。もちろん、メイドにきちんと休みを与えて、子どもとのコミュニケーションをとることも大切だ。

メイドに育てられてもその後の親子関係には弊害がない

専業主婦が圧倒的に多い日本と共働きがほとんどであるシンガポール。両国の子供と親の親密さを比較した場合、子供が小さい頃メイドを雇っていた如何に関わらず、シンガポールの方が圧倒的に親子間の仲が良い。

日本人やアンモー(欧米人)の感覚からすると、シンガポール人はマザコン、ファザコン過ぎるくらい。何をするのにもお母さん、お父さん。シンガポール人の友人と遊びに行く約束をつける際も・・・

「その日は家族でディナーだから」

「その日はお父さんの誕生日だから」

「その日はお母さんと出掛けるから」

などと言った理由で日程を調整する事が多い。この特徴は家族間の繋がりを大切にする中華系民族だからという理由で説明できるかもしれない。だけど「昔親がメイドを雇っていたから大きくなってからの親との関係が希薄だ」といった例は、今まで見たことも聞いたこともない。

日本もメイド制度を試してみれば

最近まで保育園が足りない話題がブームだったけど、日本で保育園や幼稚園に行かずに家庭で育てられている子どもの数は少なく見積もっても300万人以上。シンガポールの人口の約半分。いくら政府が頑張って保育園を作っても、保育園が足りることなんて永遠ににない。家事代行会社なるものもあるらしけど、従業員は相当ブラックな環境で働いているのが現状だと思う。

だから、日本もメイド制度を試してみたら良いのではないかと思う。外国人を安い賃金で雇って働かせるなんて非人道的だなんて思われるかもしれないけど、シンガポールで働いているメイドは比較的満足しているらしい。

日本でのメイドを雇うこと。言語、治安、慣習、法律。それ以外にも、いろんな問題が予測されるけど、1つ1つの問題が解消されて制度化されたら、相当便利になるではないかなと思う。