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シンガポール在住の底辺現地採用のブログ。 雑感、旅行記、投資、日々の生活など気ままに書き綴ります。

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シンガポール永住権(1) - PRのメリットとデメリット。

いつもシンガポールをPRしてるのだから、そろそろシンガポールのPRが欲しい。今月中にPR申請するので、PRについてまとめてみました。

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シンガポールPRとは

シンガポールに住んでいて、この単語にピンと来ない人はほとんどいないだろう。「PR」とは「Permanent Resident」の略で永住権のことを意味する。

金融危機以前は、PRは大量発行されいて、何れ帰国すると分かっている日本人駐在員に対しても「PRになりませんか?」とお誘いがきていたらしい。

当時は日本人であれば、例え駐在員でなくてもシンガポールで二年間くらい就労したあと申請すれば、ほとんどの場合ゲットできていた、という話も聞いたことがある。

それが4、5年前くらいから急に厳しくなりはじめた。

以前、インド人やバングラデシュ人などの外国人労働者の職の確保をしないのは非人道的なのではないのかと指摘された際、シンガポール首相は「わたしはシンガポール人に選ばれたリーダーなのだから、シンガポール人の利益を優先するのは当たり前」と返したそうな。ぐっとくるセリフですね。

「外国人のせいで交通機関が混雑している」

「良い仕事が外国人に持っていかれている」

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とにかく国民第一主義、現地人が声を上げ始めたら、その気持ちみ汲み取るのがシンガポール。この時期からPR取得難易度だけでなく、EPやSPASSなどの就労許可も、著しく制限されるようになった。

シンガポールPRのメリット

1.転職しやすくなる

外国人お就労ビザは、ほとんどが雇用主がスポンサーとなって発行されいる。なので会社を退職した時点で就労ビザは取り上げられ、一ヶ月以内にシンガポールを出国、または転職活動で次の会社を決めてしまわないといけなくなる。運良く次の会社がスムーズに決まっても、就労ビザ発行までには時間が掛かるし、問題なく発行されるとも限らない。

その点PRがあれば、半永久的(5年毎に更新有)にシンガポールにいられるし「転職→就労ビザ発行」という面倒くさいプロセスをかっとばせる。フリーランスだってできる。雇用先から重宝がられる。シンガポールでの生活の自由度が格段に上がります。

2.シンガポールの年金CPFに加入できる

強制貯蓄制度というシンガポール独自の個人積立年金制度のようなものに加入することができる。というか強制的に加入させられる。上限月収SGD5,000.00まで、毎月給与の20%が天引きされる。その代わり雇い主も給与の16%を拠出してくれる。

結果、毎月給与の36%がCPF口座に貯まり、そのお金は政府に運用される。どうやら年利2.5%は保証されているようで、PRを取得していた前職の同僚によれば「結構すごい勢いで貯まっていく」のだそう。

CPF口座のお金は、HDB(公団住宅)の購入、入院などの医療費の支払い、子供の教育費の支払いにも使用することができるけど、基本的には老後のための資金。

CPFを受給するには、一定水準以上の金額が55歳、65歳までにCPF口座に貯まっている必要がある。現行では受給は62歳からしいけど、2018年には65歳に引き上げられるのだとか。どこの国も似たような状況かもしれないですね。

3.HDB(公団住宅)を購入できる

MRTの駅前にそびえ立っているシンガポールの公団住宅であるHDBが購入できる。しかし独身なら購入に年齢制限があったり、審査があったりして厳しい。基本的にPR保持者がHDBを所有するにはシンガポール国民か、シンガポールPR保持者と結婚する必要がある。

住宅価格がべらぼうに高く、家賃も高いシンガポールだけに、HDBが購入できるようになるのはメリットがでかいけど、その分ハードルも高い。

4.マンスリー・トラベルパスが購入できる

SGD120.00(身体の不自由な方はSGD60.00)で一月分のMRTやバスが乗り放題になるマンスリー・トラベルパスの購入ができるようになるが、もともと片道SGD1.00〜SGD2.00程度と、シンガポールの交通費用は安い。

そのため「むしろマンスリー・トラベルを購入すると交通費用が高くなるんじゃないか」とちらほら噂はあるものの、毎月の交通費を固定できたり、毎回EZ LINKをチャージする手間を考えたら、結構メリットは大きいかもしれない。

※EZ LINK:シンガポールで使われているプリペイド式のICOCA,SUICAのようなもの。

5.クレジットカードが作りやすくなる

外国人は、年収SGD60,000以上など、クレジットカードの審査が厳しいシンガポール。PRを取得することで、その基準はシンガポール国民の基準が適用されるようになるため、クレジットカードが非常につくりやすくなる。

6.政府主催の婚活に参加できるようになる

以前、少子化に悩むシンガポールは政府手動で婚活を主催しているという噂を嗅ぎ付けた。「ブログネタにしてやる」と勢い勇んで、情報を検索したことがありましたが、政府主催の婚活の参加要件は「国民かPR保持者」ということで諦めました。

プライベートカンパニーが主催している婚活は外国人が参加可能なものもあります。婚活というアイデアが個人的に嫌いなので、政府主催のものでない限り全く参加する気がなく放置しています。

シンガポールPRのデメリット

1.給与の手取りが減る

CPF制度ための20%天引きの件です。PR保持者に聞いたのですが、やはり給与の20%はかなり痛いそう。月収SGD4,000.00だと、手取りがSGD3,200.00に。月収SGD5,000.00だと、手取りはSGD4,000.00になります。

毎月月収を全て使い切るわけではないにせよ、貯金は運用はある程度自分でしたいもの。上のように月収が目減りすると、ワープアになった気がしますね。

2.カジノ入場が有料になる

国民やPR保持者が散財しないように設けられた制度です。毎回カジノに入場するたびに入場料SGD100.00が掛かります。PR取得を予定している人はカジノはPR取得前に楽しんでおきたいところ?

3.PR取得後にPRを放棄したら再取得できなくなる(信憑性は低し)

噂程度でしか聞いたことがありません。以前、長年シンガポールに滞在している人が「一度PRを取得した後に資格を失ったら、一生PRの申請ができなくなるので、申請するタイミングを見計らっている」と言っていました。

しかし、CPFについて調べたところ「PRを辞めた時点でCPF口座にある全額を受け取ることができるが、再びPRを取得した場合は、全額をCPF口座に戻す必要がある」とありました。これは、つまり一度PRを辞退しても、再び取得することはできということ。

まとめ

以上、PRの基本的なことや、メリットとデメリットについて、自分が今まで聞いたことや、知っていることを思いつくがままに書いてみました。

シンガポール長期滞在を考えている日本人としては、PR取得すべきか、すべきでないのかは非常に悩ましいところですね。

ちなみに、シンガポールPRの5年毎の更新の査定について、見られるのは間近の1年間だけという情報を最近ゲットしました。嘘か本当かどうかは知りませんが、シンガポールに長期滞在予定なのであれば、それほど悩まずに思い切って申請するのもアリかなと思います。