SINLOG

シンガポール在住の底辺現地採用のブログ。 雑感、旅行記、投資、日々の生活など気ままに書き綴ります。

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インドのストリートチルドレンには絶対にお金をあげるな。

インドについてどんなイメージを持っているだろうか?

昔の自分のインドに対するイメージは「イギリスの植民地だったけど、今はそこそこ経済発展してきた新興工業国。数学教育が凄くて、IT、理系といった分野に強い。」というぐらいのイメージだった。それが今では「日本人にとって世界観が最も変わる国で貧富の差も世界NO1。カースト制度のせいでストリートチルドレンが多く、なんとかしないといけない、マジでやばい国、でも魅力的。」というイメージに変わってしまった。

予備校の先生の教え

事の始まりは高校3年生の夏に遡る。当時自分はとある現役高校生を対象とした大手予備校に通っていた。その予備校では英語と国語(古典と現代文)しか取っていなかったのだが、夏休みということで親に頼んで当時好きではあったが苦手だった世界史の夏期講座を取らしてもらうよう親に懇願し、無事にOKを頂いた。

その世界史の夏期講座のK先生は世界史の先生の中でも珍しく若い女性の先生。趣味は海外旅行、特に東南アジアの国の旅行経験が豊富で、授業中も沢山の先生が旅行してきた経験を踏まえて生の情報を自分たち(学生)に伝えていた。予備校の中でもぶっちぎりの人気講師で、自分が最も尊敬する先生の一人だ。

ある時、授業の中でストリートチルドレンの話になった。

世界の中で貧しい国は沢山存在し、常に餓死と隣り合わせに生きている人々が沢山いる。国民すべてが金持ちである日本人がそういう国に行くと、よく物乞いに金をせがまれる。ここまでは一般論として、K先生は自分たちに力強い口調で伝えた。

「絶対に物乞い(の子供たち)に金をあげるな!」

これを聞いた時、自分も周りの学生も「え?」という反応をしていた。貧しい子供たちがいる。自分が持っている金を少しでも上げれば、少ない金額でも日本円だから価値が高いだろう。何日彼らはそのお金で食いつなぐことができるだろうか?

しかし、当時受験生で世界史の知識を大量に詰め込もうとしていたにも関わらず、そんな事までしか考えが及ばなかった自分は何て浅はかだったのだろうと、話を聞いた後に思うことになる。

貧しい家庭において生まれて、働く権利もなく、仕事も与えられずストリートチルドレンとして物請いになる他ない発展途上国の子ども達。

そういった問題に対し、「絶対に物乞い(の子供たち)に金をあげるな!」と自分たち予備校の生徒に説教するK先生。

数人の物乞いの子ども達にお金を与えたところで、それを見た数知れない子ども達がよってくるので収集がつかなくなる。 そして、物請いをして金を得た子ども達は、その味をしめ同じ事を繰り返す。一生物請いとして生活するしかなくなるのだ。

生きる術を教えること

かく言うK先生であるが、結果的にストリートチルドレンにお金をあげる行為をした。ただ、そのお金はタダであげた金ではなく、労働の代価としてあげたお金。K先生は買ってきた布を子どもに渡し、その布で自分の靴を磨かせ、その労働の代価としてお金を渡したそうだ。そして自分たち予備校生に「何でも良いから仕事になりそうな事を探し、仕事を与え、そしてその労働の代価としてお金をあげなさい」とおっしゃった。

つまり、仕事を与え、生きる術を彼らに身につけさせることが大切だということ。 タダでお金をあげる事は絶対にしてはいけない。その理由はまだある。

子どもに手をかける親

カンボジアのある地域では未だに地雷の不発弾が残っている。誤って地雷を踏んでしまい、歩けなくなる子ども達もいる。皆さんがもし1人にお金与えることができるとしたら、五体満足のAという少年、地雷によって足がなくなってしまったBという少年、どちらにお金をあげたいと思うだろうか。

言わずもがな、普通の感性を持った人間ならB少年と答えるだろう。 五体満足の子どもより、奇形の子どものほうがお金を恵んでもらえる率が高い。この法則を利用して、敢えて自分の子どもの手や足をもぎとったり潰したり奇形にして、金を稼がせる親がいる国がある。

その狂った国がどこだったのか久しく忘れていたが、K先生がその内容をおっしゃっていた場面は自分の脳裏にずっと刻みこまれていた。そしてカナダに留学していた最中、様々な価値観に触れ、世界の国々に好奇心だらけだった自分は、ある時、東南アジアの国々を旅行している鈴木さんの日記をMIXIで発見する。

衝撃的だった。その狂った国とはインドだった事を思い出し確信する。 こういった国では日本人がよかれと思ってする行為が、将来生まれてくるであろうその国の子ども達を奇形にする。

だから、ストリートチルドレンにお金をタダであげるのは絶対にしてはならない。